MENU

真空の分類5つを紹介!真空ポンプを製造するおすすめ企業3選も

当ページのリンクには広告が含まれています。

真空は、食品の乾燥や半導体の製造など、さまざまな分野で活用されています。

真空状態は5つに分類されており、目的や用途に応じて適切な真空状態を作ることで、細菌の繁殖を防いだり、空気の影響を最小限に抑えて加工や観測を行ったりすることができます。

真空状態を扱うには、その仕組みや特性についての知識が必要不可欠です。しかし、真空について詳細に理解し、説明できる人は多くないのが現状です。

そこで、この記事では、真空の概要やその作り方について解説し、真空状態の基礎を学ぶ手助けをします。

目次

真空とは

真空とは、空気(気体)が少ない状態を指すことばです。空間からすべての空気を取り除くことは非常に困難であるため、基本的に空気がない状態は作れません。

空間に空気が多いほど大気圧に近づきます。一方で、空間から空気を取り除くほど、低圧の状態になるのです。

産業で真空を扱うには規格や測定法などの国家規格『日本産業規格(JIS)』に沿う必要があり、JISでは真空を「通常の大気圧より低い圧力(分子密度)の気体で満たされた空間の状態」と定義しています。(※1)

JISの定義では気圧の違いにより真空を5段階に分類しており、空間に空気が少ないほど酸素が少なく、熱や音が伝わりづらいことを意味しているのです。
※1:JIS Z 8126-1:2021 真空技術 ― 用語 ― 第 1 部: 一般用語の改正より

真空の作り方

真空を作るには、真空ポンプと真空計が欠かせません。

真空ポンプで空間から空気を外へ出しつつ、どのくらいの空気を追い出せたのかを真空計で測定します。

目的の真空状態により、必要な真空ポンプや真空計が異なります。空間にある空気をより多く外へ追い出さなければならないほど、高性能な真空ポンプが必要だからです。

そのため、どの真空状態にするのかで、真空ポンプと真空計を選定する必要があります。

真空の分類5つ

JIS規格では、真空は圧力の違いにより次のように定義されています。

真空の種類圧力大気圏状態
低真空105Pa~102Pa対流圏、成層圏飛行機の飛行高度
中真空102Pa~10-1Pa中間圏~熱圏
高真空10-1Pa~10-5Pa熱圏オーロラ
超高真空10-5Pa~10-8Pa熱圏~外気圏人工衛星
極高真空10-8Pa以下外気圏銀河系空間

※大気圧:1.013×105Pa

そこで、ここからは真空状態を5段階に分けて解説します。

低真空

低真空は、多少の空気を外へ送り出せば実現できる真空状態です。

手動の簡易ポンプで到達できるものの、次のような種類の真空ポンプを使うことが数多くあります。

  • 油回転ポンプ
  • ドライポンプ

真空計は、ピラニ真空計を使うものの、表示がデジタルとアナログのものがあるため、使いやすい方を選択するといいでしょう。

中真空

中真空は、低真空と同様に真空ポンプで実現できます。

中真空を作り出すには、次のような種類の真空ポンプを使うのが一般的です。

  • 油回転ポンプ
  • メカニカルブースターポンプ

ただし、中真空では分子の動きや状態を示すクヌーセン数を十分に考慮し真空ポンプを選定する必要があります。

圧力は空間にいる気体の分子が壁にぶつかり押される力です。真空ポンプで空気を外へ送り出すと、空間内に存在する分子の数が減るため、空間内の分子の動きが変化します。

空間内に分子が多く存在する時は分子の集まり(連続体)の性質がある一方で、分子が少なくなると個々の動きへと変わるのです。

分子の動きの変化を示すものがクヌーセン数であり、真空状態により次のように異なります。

真空の種類クヌーセン数(Kn)
低真空Kn≦0.01
中真空0.01≦Kn≦0.1
高真空0.1≦Kn≦10
超真空10≦Kn

上記の表を参考に真空ポンプの選定を行うのが賢明です。また、真空計はピラニ真空計を選び、デジタルまたはアナログの使いやすいものにしましょう。

高真空

高真空では、中真空までのように真空ポンプで空気の排出を行うのみでは、実現しづらくなります。

まず、中真空が実現できる真空ポンプを使い、ある程度空気を外へ送り出したのちに、たとえばターボ分子ポンプを用いて、分子をはじき飛ばさなければなりません。

そこで、高真空を実現するには次のような種類の真空ポンプを使うことが数多くあります。

  • ターボ分子ポンプ
  • 油拡散ポンプ
  • ゲッターイオンポンプ

真空計は、電離真空計を選びましょう。

超高真空

超高真空では空気の排出に加えて、イオンポンプなどを用いて空気内の分子を吸着させて消滅することが欠かせません。

そのため、超高真空では、次のような種類の真空ポンプを使うことが一般的です。

  • スパッタイオンポンプ
  • チタンゲッターポンプ

真空計は、電離真空計やペニング真空計を選ぶといいでしょう。

極高真空

極高真空は現在研究中の真空状態であり、真空ポンプや真空計は実用化されていません。研究が進み、今後実用化されることを期待しましょう。

真空ポンプを製造するおすすめ企業3選

最後に、真空ポンプを製造する企業を、3つ紹介します。

神港精機株式会社

出典:神港精機株式会社
項目詳細
会社名神港精機株式会社
会社住所兵庫県神戸市西区高塚台3丁目1番35号
創業年数昭和24年
公式サイトhttps://www.shinko-seiki.com/

神港精機株式会社は顧客の要望を実現するために、技術や装置を提案し続ける会社です。

半導体や自動車業界といった幅広い分野で真空技術を提供し、環境への配慮にも使命感を持ち、脱炭素社会への実現にも前向きに取り組みます。

また、今後はインドといった海外でも製品の販売を強化する予定です。

神港精機は、世界中からなくてはならない企業であり続けることを目標に常に成長し続けます。真空の技術力が高いうえに、時代の変化にも迅速に対応する点でも、真空分野でおすすめする企業です。

株式会社アルバック

出典:株式会社アルバック
項目詳細
会社名株式会社アルバック
会社住所神奈川県茅ヶ崎市萩園2500番地
創業年数昭和27年
公式サイトhttps://www.ulvac.co.jp/

株式会社アルバックは、半導体といった電子部品のみならず、食品や医療のような一般産業機器向けなど、幅広い業界で真空技術を提供しています。

顕在や潜在ニーズに応えるべく付加価値の高い技術を創出し、革新的で先進的な技術開発を行う会社です。

加えて、製品の販売は日本国内にとどまらず、アジアや欧米を中心にグローバルな製造・販売のネットワークを構築し生産体制を拡大しています。

国内外でアルバックの真空技術が利用されており実績が豊富であるため、アルバックはおすすめする企業の1つなのです。

オリオン機械株式会社

出典:オリオン機械株式会社
項目詳細
会社名オリオン機械株式会社
会社住所長野県須坂市大字幸高246
創業年数昭和21年
公式サイトhttps://www.orionkikai.co.jp/

オリオン機械株式会社は、世界No.1製品の開発に挑戦する企業です。

社会のニーズに沿う高性能な製品を販売するうえに、環境対応と省エネを実現します。環境に配慮しつつ、顧客を喜ばせる製品づくりを行い社会に貢献する姿勢で開発を続けるのです。

また、国内では北海道から九州まで各拠点に営業所を設けており、製品の購入のみならず相談やメンテナンスを実施しやすい環境が整えられています。

真空製品の故障や修理に迅速に対応できれば作業効率が良いため、オリオン機械も真空ポンプを製造するおすすめする企業です。

まとめ

真空は、圧力の違いにより次の5段階に分けられます。

真空の種類圧力
低真空105Pa~102Pa
中真空102Pa~10-1Pa
高真空10-1Pa~10-5Pa
超高真空10-5Pa~10-8Pa
極高真空10-8Pa以下

極高真空は研究段階であるものの、超高真空までは高性能な真空ポンプを使えば、目的の真空状態を実現できます。

目的の真空状態を実現するには真空ポンプや真空計が欠かせないものの、高真空になるほど高性能の機械に加えて、真空状態下での分子の知識も不可欠です。本記事を参考にしながら、ぜひ貴社の用途に合ったメーカーをお選びいただき、より良い成果の実現にお役立ていただければ幸いです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次