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真空ポンプの種類と用途例を解説!製造するおすすめ企業11選も紹介

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真空ポンプは種類が多いため、どれを選べばいいのかわからない人もいるでしょう。

真空ポンプは、どのくらいの圧力で真空状態にしたいのか、どの業界の研究や開発に使うのか、といった条件を明確にしたのちに使うべきものを選ぶ必要があります。

そこで本記事では、最適な真空ポンプを選ぶために、研究や開発を行う業界ごとの用途に応じた真空ポンプの種類について解説します。真空ポンプの導入を検討してる方は、ぜひ参考にしてみてください。

さらに、ドライポンプを取り扱うメーカーもご紹介しますので、導入を検討している方はぜひ参考にしてください。

目次

真空ポンプとは

真空ポンプに関する画像

真空ポンプとは、空間を大気圧以下の真空状態にする装置です。大気圧よりも低気圧にするため、空間の空気を外へ送り出し一定の気圧を維持します。

真空ポンプを使う身近な例として、食品の包装や乾燥があります。真空にすれば、酸素濃度が低い状態を維持できるため、食べ物の酸化を防ぎ、長期保存が可能です。

加えて、食べ物を凍らせて真空の空間に置くと水分を抜き取れるため、品質や味を損なうことがありません。熱を加えると劣化しやすい食材でも簡単に乾燥させる技術にも真空ポンプが利用されます。

また、半導体製造でも真空ポンプは利用されるものの、食品の包装よりも空間の空気をより外へ排出し低気圧下で扱わなければなりません。

そこで、真空状態を区分するため、真空は気圧の違いにより次の5段階に分類されます。

・低真空
・中真空
・高真空
・超高真空
・極高真空

超高真空に近づくほど、高性能な真空ポンプが必要です。そのため、真空の状態に合う真空ポンプを選択しなければ、目的の真空状態を実現できません。

真空ポンプの種類

真空ポンプの種類に関する画像

ここからは、真空ポンプの種類を5つにまとめて解説します。

油回転真空ポンプ

真空ポンプの種類に関する画像
出典:神港精機株式会社

油回転真空ポンプは低真空~高真空を実現する際に使用する真空ポンプであり、食品や医療分野で利用されることが数多くあります。

油回転真空ポンプの特徴は耐久性に優れ、比較的長期的に使用できることです。加えて、油回転真空ポンプの排気口にオイルミストトラップをつけると、運転中や使用後に出るオイルを除去できるため、メンテナンスが容易になります。

また、油回転ポンプは構造の違いにより、揺動ピストン型と回転翼型があることを念頭におくことが賢明です。

ドライ真空ポンプ

真空ポンプの種類に関する画像
出典:神港精機株式会社

ドライ真空ポンプは、主に低真空を実現する際に使用されて、医療機器・フィルム吸着・理化学分析機器に利用されます。

油や液体を使用せずに空間から空気を外へ排出できることから、きれいな真空状態を作れるため、さまざまな分野で使用されており、用途が多いことでも有名です。

加えて、ドライ真空ポンプにはダイヤフラム型やスクロール型、ルーツ型などさまざまな構造のものがあることも覚えておきましょう。

メカニカルブースターポンプ

真空ポンプの種類に関する画像
出典:神港精機株式会社

メカニカルブースターポンプは、主に中真空を実現する時に使用されて、脱ガスや真空乾燥などの用途で利用されます。

メカニカルブースターポンプの特徴は、排気性能に優れて長寿命であることです。操作や保守が容易であるうえに低振動であるため、利用しやすい真空ポンプです。

油拡散ポンプ

真空ポンプの種類に関する画像
出典:神港精機株式会社

油拡散ポンプは、主に高真空を実現する際に使用され、半導体製造装置や殺菌・乾燥・脱水などの用途で利用されます。

油拡散ポンプの特徴は排気速度が大きく、ヒーターの寿命が長いことです。

また、構造の違いにより、標準型とサイドエゼクタ型があります。

ターボ分子ポンプ

真空ポンプの種類に関する画像
出典:株式会社アルバック

ターボ分子ポンプは、主に高真空を実現する際に使用し、半導体製造装置や分析装置に利用されます。

ターボ分子ポンプの特徴は排気速度が一定であり、連続した排気ができることです。ただし、ターボ分子ポンプは中真空程度まで真空状態にしてから使用する必要があるため、油回転ポンプやドライ真空ポンプと併用しなければならないことを念頭におきましょう。

真空ポンプの種類の選び方は?

真空ポンプの種類の選び方に関する画像

真空ポンプにはさまざまな種類があり、用途や求める真空度・処理環境によって最適なタイプが異なります。

選び方を誤ると、必要な性能が得られなかったり、メンテナンス負担やコストが増大する可能性もあります。そのため、導入前に「どのような目的で使うのか」「どんな条件で稼働させるのか」を明確にすることが大切です。

ここでは、真空ポンプを選ぶ際に確認しておきたい2つの基本ポイントを紹介します。

以下で詳しく解説します。

目的に応じた真空度を把握する

真空ポンプの選定で最初に考えるべきなのは、必要な真空度(圧力レベル)です。用途によって求める真空レベルは大きく異なります。

・低真空(10⁵〜10²Pa):真空成形・乾燥・包装など
・中真空(10²〜10⁻¹Pa):蒸着・樹脂脱泡・実験装置
・高真空(10⁻¹Pa以下):半導体・電子部品製造など

一般的に、低〜中真空ではドライポンプやロータリーベーンポンプが使用され、高真空域ではターボ分子ポンプやクライオポンプが選ばれます。用途を明確にすることで、必要以上に高性能な機種を選んでコストをかけすぎることも防げるでしょう。

メンテナンス性とコストバランスを考慮する

真空ポンプは長期運用が前提の設備であり、維持費やメンテナンスのしやすさも重要な判断基準です。

オイル式ポンプは初期コストが低い一方、定期的なオイル交換が必要でランニングコストがかかります。対して、ドライポンプはメンテナンス頻度が少なく、クリーンで扱いやすい反面、導入費が高めです。

また、部品供給やアフターサポート体制もメーカーによって異なるため、保守体制を確認しておくことが大切です。コストだけでなく、長期的な運用効率と安定性を踏まえて選ぶことで、結果的にコスパの高い導入が実現します。

真空ポンプを製造する企業の選び方

真空ポンプを製造する企業の選び方に関する画像

真空ポンプは、用途や目的によって求められる性能が大きく異なります。そのため、導入時に「どのメーカーを選ぶか」は、製品の信頼性やメンテナンス性、長期コストに直結する重要な要素です。

メーカーごとに得意とする産業分野やサポート体制が異なるため、自社の運用環境やニーズを踏まえて比較検討することが欠かせません。ここでは、真空ポンプメーカーを選ぶ際に特に注目すべき3つのポイントを紹介します。

以下で詳しく解説します。

用途・産業分野に合った専門性を持つメーカーを選ぶ

真空ポンプは、産業分野によって求められる性能が大きく異なります。例えば、半導体や電子部品製造には高真空・クリーン性を重視したポンプ、化学・医薬品業界では耐食性や耐薬品性を備えたモデルが求められます。

また、食品や医療用途ではオイルを使わないドライタイプが適しています。メーカーごとに得意とする技術領域が異なるため、過去の導入実績や提供している製品ラインナップを確認しましょう。

自社の使用目的に特化した製品を持つメーカーを選ぶことで、性能面だけでなくコストやメンテナンスの面でもメリットを得られます。

導入後のメンテナンスや部品供給体制を重視する

真空ポンプは長期間稼働させる設備であり、導入後のメンテナンス体制や部品供給の安定性が非常に重要です。

特に、海外メーカーの場合は部品調達に時間がかかることがあり、ダウンタイムが発生するリスクもあります。メーカー選定の際は、国内にサービス拠点があるか、定期点検・修理対応の体制が整っているかを確認しましょう。

定期的な保守契約や長期保証サービスを提供しているメーカーを選ぶことで、安心して運用を続けることができるでしょう。

複数社を比較検討して選ぶ

メーカーを選定する際は、1社だけで判断せず複数社の製品・サービスを比較することが基本です。真空度や排気速度、耐久性、導入コスト、メンテナンス性などの要素を総合的に評価しましょう。

特に、似たスペックでもメーカーごとに設計思想や耐用年数、サポート対応の質に違いがあります。

比較を通じて、自社の目的に最も合うメーカーを選ぶことで、長期的なコストパフォーマンスと運用の安定性を両立させることができます。

真空ポンプを製造するおすすめ企業11選

真空ポンプを製造するおすすめ企業に関する画像

真空ポンプを導入・比較検討する際には、メーカーごとの強みや取扱製品の種類を把握することが重要です。たとえば、半導体向けの高真空モデルに強いメーカーもあれば、化学・医療・食品業界向けの省エネモデルを展開している企業もあります。

ここでは、国内外で高いシェアを誇る主要メーカーを一覧にまとめました。会社の所在地・主な取扱ポンプ・特徴を比較することで、自社のニーズに合った製品選びの参考にしてください。

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会社名所在地主な取扱ポンプ特徴・注目ポイント公式サイト
神港精機株式会社兵庫県神戸市西区高塚台3-1-35ドライ真空ポンプ、油回転真空ポンプ、水封式真空ポンプ、メカニカルブースター、油拡散ポンプ国内ドライポンプ分野トップシェア。環境配慮型技術とIoT連携開発を推進中。公式サイト
樫山工業株式会社長野県佐久市根々井1-1ドライ真空ポンプ、油回転真空ポンプ、水封式、メカニカルブースター国内初のドライポンプ開発企業。用途別・性能別に豊富なラインアップ。公式サイト
株式会社アルバック神奈川県茅ヶ崎市萩園2500ドライ、油回転、メカニカルブースター、クライオポンプ、ターボ分子ポンプ、スパッタイオンポンプ真空機器総合メーカー。グローバル展開と技術力の高さが強み。公式サイト
エドワーズ株式会社千葉県八千代市吉橋1078-1ドライポンプ、ターボ分子ポンプ、排ガス処理装置英国発グローバル企業。研究から量産まで幅広く対応。環境対応製品も展開。公式サイト
株式会社アンレット愛知県海部郡蟹江町宝1丁目25番地ドライルーツ式真空ポンプ(多段式)オイルレス・クリーン。特許技術「エンドレス方式」で低騒音・高効率を実現。公式サイト
大晃機械工業株式会社山口県熊毛郡田布施町下田布施209-1水封式・液封式真空ポンプ船舶・プラント向けに強み。堅牢設計とカスタム対応が特長。公式サイト
株式会社荏原製作所東京都大田区羽田旭町11-1ドライ真空ポンプ、ターボ分子ポンプ世界的な流体機器メーカー。省エネ・低振動設計と技術力が強み。公式サイト
アネスト岩田株式会社神奈川県横浜市港北区新吉田町3176ドライスクロール真空ポンプオイルレス・静音・省スペース。医療・研究分野で高評価。公式サイト
日本ブッシュ株式会社神奈川県平塚市めぐみが丘1-23-33ロータリーベーン、スクリュー、クロー、リキッドリング真空ポンプドイツBuschグループ。グローバル品質と日本市場に密着したサポート体制。公式サイト
株式会社宇野澤組鐵工所東京都大田区下丸子2丁目36-40液封式・水封式真空ポンプ日本最古級メーカー。堅実設計と長期サポート体制が強み。公式サイト
オリオン機械株式会社長野県須坂市大字幸高246ドライ・オイル・水封式真空ポンプ総合流体機器メーカー。静音・省エネ・クリーン対応モデルを多展開。公式サイト

各社の取り組みや製品ラインアップは異なるため、使用目的や導入環境に合わせた選定がポイントです。以下でそれぞれの会社について、より詳しく解説します。

神港精機株式会社

出典元:神港精機株式会社

神港精機株式会社は、ドライポンプ製造分野で国内トップシェアを誇るメーカーです。創業以来、真空装置の専門メーカーとして培ってきた技術力と、顧客ニーズに応える製品開発力により、確固たる地位を築いています。

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項目詳細
会社名神港精機株式会社
設立昭和24年1月24日
住所神戸市西区高塚台3丁目1番35号
HPhttps://www.shinko-seiki.com/

近年は、グローバル展開の一環としてインド市場への参入を強化し、さらなる技術革新と市場拡大を目指しています。また、持続可能な社会の実現に向けて、環境負荷を低減する新世代の真空技術開発にも積極的に取り組んでいます。


同社のドライポンプは、優れた性能と高い信頼性に加え、環境配慮型設計を特徴としており、半導体や電機、化学など幅広い産業分野で高い評価を得ています。IoTやAIの進展に伴い、真空技術の需要は今後さらに拡大すると予測されています。

神港精機は創業以来、ドライポンプの販売数を増やしつづけているものの、次のような真空ポンプの製造・販売もしています。

  • ドライ真空ポンプ
  • メカニカルブースターポンプ
  • 油拡散ポンプ
  • 水封式真空ポンプ
  • 油回転真空ポンプ

神港精機のドライポンプは高い性能と信頼性、そして環境への配慮を兼ね備えた製品です。さまざまな産業において、その高い性能が評価されており、今後もますます需要が拡大していくことが期待されます。

真空の状態や排気速度の違いによりさまざまな種類があるため、購入の際は最適な製品を問い合わせるのが賢明です。

また、神港精機についてもっと気になる人は実際にお問い合わせしてみてはいかがでしょうか。

また、以下の記事にて神港精機について書いているので、参考にしてみてください。

樫山工業株式会社

出典:樫山工業株式会社

樫山工業株式会社は、国内初のドライ真空ポンプを販売した真空ポンプの製造メーカーです。

項目詳細
会社名樫山工業株式会社
会社住所長野県佐久市根々井1-1
創業年数昭和26年
公式サイトhttps://www.kashiyama.com/

ドライ真空ポンプを主力として、次のような真空ポンプの製造・販売を行います。

  • ドライ真空ポンプ
  • 油回転真空ポンプ
  • 水封式真空ポンプ
  • メカニカルブースターポンプ

樫山工業株式会社では、公式ホームページ上でドライ真空ポンプを『用途で選ぶ』または『性能で選ぶ』といったタブ分けがされています。

しかし、製品が豊富にあるため、相談したい場合には公式ホームページの右上『問い合わせ』から必要事項を入力し送信すると、連絡がもらえます。

また、以下の記事では樫山工業の製品や特徴について紹介しているので、参考にしてください。

アルバック株式会社

出典:株式会社アルバック

株式会社アルバックは、真空技術の潜在・顕在ニーズに応えるべく革新的・先進的な技術開発を続ける真空ポンプ製造メーカーです。

項目詳細
会社名株式会社アルバック
会社住所神奈川県茅ヶ崎市萩園2500番地
創業年数昭和27年
公式サイトhttps://www.ulvac.co.jp/

国内以外にも東アジアや欧米で製造・販売を行うネットワークを構築しています。

株式会社アルバックは真空機器の総合メーカーであり、半導体や自動車といった産業向けの製造で用いる真空装置で高いシェアを誇るものの、次のような真空ポンプを製造・販売しています。

  • 油回転真空ポンプ
  • ドライ真空ポンプ
  • メカニカルブースターポンプ
  • クライオポンプ
  • ターボ分子ポンプ
  • スパッタイオンポンプ

株式会社アルバックでは装置や機器に故障が起きた場合、最寄りの支店からサービスエンジニアを派遣し復旧を行う緊急対応システムがあるため、万が一の時にでも安心できます。

また、以下の記事ではアルバックの製品や特徴について紹介しているので、参考にしてください。

エドワーズ株式会社

エドワーズ株式会社のホームページ画像
出典元:エドワーズ株式会社

エドワーズ株式会社は、英国発のグローバル企業で、真空技術の分野において世界有数の実績を持つ専門メーカーです。

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項目詳細
会社名エドワーズ株式会社
住所本社・八千代工場:千葉県八千代市吉橋1078-1
電話番号047-458-8822
公式HPhttps://www.edwardsvacuum.com/ja-jp
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