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水封式真空ポンプとは?利用するメリットやデメリットを徹底解説

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出典元:神港精機株式会社  

真空ポンプの導入を検討している際、水封式真空ポンプが候補に挙がっている方は、多いのではないでしょうか。水封式真空ポンプは故障しにくくメンテナンスがしやすいメリットがあります。

しかし、メリットだけで真空ポンプを決めると、後悔する可能性が高いです。そこでこの記事では、水封式真空ポンプの特徴やメリット・デメリットについて解説します。

水封式真空ポンプについて詳しくするためにも、この記事をチェックしてみてください。

さらに、ドライポンプを取り扱うメーカーもご紹介しますので、導入を検討している方はぜひ参考にしてください。

目次

水封式真空ポンプとは?

ここでは、水封式真空ポンプの仕組みと利用されている分野について解説します。水封式真空ポンプがどのような真空ポンプなのかが分かるでしょう。

水封式真空ポンプの仕組み

水封式真空ポンプは、液体を封液として使用する真空ポンプの一種です。主に水が使用されますが、油や溶剤が使用されることもあります。

ポンプ内部の羽根車を回転させ、遠心力で液体を外側に押し出すことで、ポンプ内に真空状態を作り出します。真空状態を利用して、気体を吸引・排出する仕組みです。

水封式真空ポンプは、構造が比較的単純で、耐久性に優れているという特徴があります。蒸気や腐食性ガスなど、さまざまな気体を扱えます。

水封式真空ポンプの利用分野

水封式真空ポンプは、化学工業や食品工業、環境分野など、幅広い産業分野で利用されています。特に、水分や異物を含む気体を扱う場合に適しています。

ただし、他の種類の真空ポンプと比較すると、到達真空度は低いです。高真空が必要な用途には適していません。

水封式真空ポンプを利用するメリット

水封式真空ポンプを利用するメリットは以下の3つです。

それぞれのメリットを把握して、水封式真空ポンプの魅力を把握しましょう。

故障しにくい

水封式真空ポンプはシンプルな構造で、可動部が少ないため、故障しにくいというのが大きなメリットです。具体的には、ポンプ内部の羽根車が回転することで、水がリング状になり、その遠心力で真空状態を作り出します。

水がシール材と冷却材の役割を果たすため、摩擦が少なく、摩耗しにくいのです。また、水は気体を冷却する効果もあるため、ポンプ内部の温度上昇を抑え、部品の劣化を防ぎます。

さらに、水封式真空ポンプは、多少の異物や液体が混入しても、故障しにくいという特徴もあります。

メンテナンスが容易

水封式真空ポンプは、シンプルな構造で、メンテナンスが容易であるのもメリットといえるでしょう。具体的には、ポンプ内部の部品点数が少なく、分解や清掃が比較的簡単におこなえます。

水がシール材として機能するため、油を使用する真空ポンプと比べて、廃油処理の必要がありません。水は冷却効果も持ち合わせているため、ポンプのオーバーヒートを防ぎ、長寿命化にも貢献します。

省エネルギー

水封式真空ポンプは、他の方式に比べて省エネルギー性に優れているのも大きなメリットです。水封式真空ポンプは、運転時に発生する熱を水で効率的に冷却できます。

オーバーヒートを防ぎ、安定した運転を維持できるため、エネルギー効率の向上につながります。水は熱伝導率が高いため、ポンプ内部の温度を均一に保ちやすく、エネルギー効率の向上に貢献するでしょう。

水封式真空ポンプを利用するデメリット

水封式真空ポンプを利用するデメリットは以下の3つです。

それぞれのデメリットを把握して、水封式真空ポンプが自社に合っているかの参考にしてみてください。

他の真空ポンプに比べて真空度が低い

水封式真空ポンプは、封入液の蒸気圧によって真空度が制限されるため、高真空を必要とする用途には不向きです。水封式真空ポンプは10-3Pa程度の真空度が限界です。

より高い真空度が必要な場合には、油回転ポンプやドライポンプなどの他の種類の真空ポンプを選択する必要があります。

水を常時入れ替える必要がある

水封式真空ポンプは、定期的に新しい水と入れ替える必要があります。水封式真空ポンプは、運転中に封水と呼ばれる水をポンプ内部に供給し続けなければなりません。

封水は気体を冷却したり、ポンプ内部のシール性を保ったりする役割を果たしますが、運転を続けるうちに温度上昇や不純物の混入などが起こります。水の入れ替え頻度はポンプの仕様や運転条件によって異なりますが、一般的に数時間から数日に一度程度です。

頻繁な水の入れ替えは手間やコストがかかるだけでなく、排水処理の問題も発生する可能性があります。近年では、封水を循環させて再利用するタイプの水封式真空ポンプも登場していますが、定期的なメンテナンスは欠かせません。

ポンプが詰まりやすい

水封式真空ポンプは構造上、ポンプ内部に水を使用するため、異物やスケール(水垢など)と混ざり合うことで、ポンプの詰まりを引き起こしやすいです。特に、以下のようなケースでは詰まりのリスクが高まります。

  • 吸引する気体に異物や粉塵が多く含まれる場合
  • ポンプ内部で使用する水の水質が悪い場合
  • ポンプのメンテナンスが不十分な場合

ポンプが詰まると、真空性能の低下やポンプの故障につながる可能性があります。水封式真空ポンプを使用する際は、定期的なメンテナンスや適切な水質管理が不可欠です。

水封式真空ポンプはドライ真空ポンプで代用できる?

近年では、ドライ真空ポンプの性能向上と価格低下により、水封式真空ポンプの代替にできるケースがあります。特に、クリーンな環境が求められる半導体製造や食品加工などの分野では、ドライ真空ポンプへの切り替えが進んでいます。

ただし、すべての用途でドライ真空ポンプが代替できるわけではありません。必要な真空度や処理する気体の種類、メンテナンス性、コストなどを総合的に考慮して選びましょう。

ドライ真空ポンプでおすすめなメーカー3選

ドライ真空ポンプでおすすめなメーカーは以下の3社です。

それぞれの会社の特徴を把握して、どのドライ真空ポンプメーカーが合うかの参考にしてみてください。

神港精機株式会社

出典元:神港精機株式会社

神港精機は、長年の実績と高い技術力を誇る真空ポンプの専門メーカーです。神港精機の製品は耐久性と性能の高さで、多くの産業分野から信頼を得ています。

スクロールできます
項目詳細
会社名神港精機株式会社
設立昭和24年1月24日
住所神戸市西区高塚台3丁目1番35号
HPhttps://www.shinko-seiki.com/

特に、ドライ真空ポンプはクリーンな環境を求める現代の製造現場において、重要性を増しています。また、神港精機のドライ真空ポンプは独自の技術により、油回転式真空ポンプに比べてメンテナンスの頻度を大幅に削減し、環境への負荷も低減してくれます。

幅広いラインナップを誇り、さまざまな用途やニーズに対応可能です。

また、神港精機についてもっと気になる人は実際にお問い合わせしてみてはいかがでしょうか。

また、以下の記事にて神港精機について書いているので、参考にしてみてください。

株式会社アルバック

出典:株式会社アルバック

アルバックは真空技術で世界をリードする企業であり、ドライ真空ポンプにおいても高い評価を得ています。長年の研究開発で培われた技術力と豊富な製品ラインナップで、さまざまな産業分野のニーズに応えています。

項目詳細
会社名株式会社アルバック
会社住所神奈川県茅ヶ崎市萩園2500番地
創業年数昭和27年
公式サイトhttps://www.ulvac.co.jp/

アルバックのドライ真空ポンプは、安定した性能と耐久性に優れており、メンテナンスも容易です。サポート体制も充実しており、導入してからも安心して稼働ができます。

また、以下の記事ではアルバックの製品や特徴について紹介しているので、参考にしてください。

樫山工業株式会社

出典:樫山工業株式会社

樫山工業株式会社は、ドライ真空ポンプの分野で高い評価を得ている日本のメーカーです。1951年の創業以来、真空技術を追求し続け、多岐にわたる産業分野に高品質な製品を提供しています。

項目詳細
会社名樫山工業株式会社
会社住所長野県佐久市根々井1-1
創業年数昭和26年
公式サイトhttps://www.kashiyama.com/

半導体製造プロセスにおいては、樫山工業の真空ポンプが欠かせない存在となっているのが特徴です。樫山工業は顧客のニーズに合わせた製品開発にも力を入れており、多様な要求に応える製品ラインナップを誇ります。

環境への配慮も重視しており、省エネルギー性能に優れた製品や、環境負荷の低い製品の開発にも積極的に取り組んでいるのもポイントです。

また、以下の記事では樫山工業の製品や特徴について紹介しているので、参考にしてください。

まとめ

水封式真空ポンプは故障しづらく、メンテナンスがしやすいというメリットがあります。省エネルギーで安定して稼働できるのも魅力的なポイントです。

しかし、他の真空ポンプに比べて真空度が低く、常に水を入れ替える必要があります。高い真空度を求める場合は、他の方式の真空ポンプを検討しましょう。

この記事を参考にして、自社に最適な真空ポンプ選びをしてみてください。

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